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キャビンの棚

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海を近くに感じることのできる音楽や書籍をご紹介。新しいものから古いものまで、いろいろと取りそろえてみます。
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#海の本

二万マイルも潜れるのか? 【キャビンの棚】

 19世紀の終わりに活躍した“SFの父、ジュール・ヴェルヌの代表作に「海底二万里」があります…

魔法にかかった島々の、ミステリー。 【キャビンの棚】

 副題が英語で「THE BEAGLE IN THE GALAPAGOS」となっています。そう、あの進化論のチャール…

物語の面白さだけでなく、海言葉に興味津々。 【キャビンの棚】

 ボートやヨットのキャビンの棚というやつにはさまざまな物が押し込まれています。予備に取り…

正義と仁愛の海物語。 【キャビンの棚】

 読者の中には不運にも「118」コールを余儀なくされた方がいるでしょうか。あるいは、港則法…

やせ我慢もいいけど、読書ですごす雨の日もまたいいんです 【キャビンの棚】

 「船乗りは雨も好きにならなきゃいかん。雨が降っても傘はさすな。カッパ(オイルスキン)を…

タイトルから連想した「港町ブルース」とはかけ離れた内容ですが。 【キャビンの棚】

 1969年に森進一が歌って「日本有線大賞」に輝いた『港町ブルース』は、テレサ・テンら多くの…

ここに語られる、“異常な海の冒険”「アーサー・ゴードン・ピムの物語」 【キャビンの棚】

 この男がいなければ、文学の歴史は全く違っていた—。世界初のミステリ小説を書き、海洋冒険やSFの開祖の一人であるエドガー・アラン・ポーは、19世紀のアメリカ人作家です。  文芸評論家の鴻巣友季子さんの解説に「現在のあらゆる文学の源泉にポーがいる」とありました。たくさんの文学のジャンルを切り開いたポーは、「海底二万里」のヴェルヌをはじめ、ドストエフスキー、カフカ、オスカーワイルドら、幅広い数多の作家に影響を与えました。あの明智小五郎の江戸川乱歩もエドガー・アラン・ポーを漢字でも

“足が痒くなる”子どもたちの航海物語 「ヤマネコ号の冒険」 【キャビンの棚】

 世界にはおよそ6,900もの言語があると言われていますが、そのそれぞれに表現の面白さがあり…

“創作の世界って海に似ている”。 65歳から始まった映画づくり 【キャビンの棚】

 幾つになっても生きがいがあることは素晴らしいことです。ただ、会社員の2人に1人は生きが…

夏なのに暑苦しい話かもしれませんが、素敵なセーターの物語。

 「ガンジー」というセーターをご存知ですか? 英国の厳しい海で生きてきた漁師たちが古くか…

いかだで太平洋を横断した学者の実話 「コンチキ号漂流記」 【キャビンの棚】

 海の民・ポリネシア人。広い太平洋のハワイ、ニュージーランド、イースター島を結んだ、一辺…

海賊と子どもたちの奇妙な船上生活 「ジャマイカの烈風」 【キャビンの棚】

 感染対策で休校中の2カ月の間に自宅学習で中国語をマスター。ちょっと前に耳にした、とある…

船乗りとしてのアンジンさんをイメージする楽しさ 「航海者 三浦按針の生涯」 【キャ…

 三浦按針(ウィリアム・アダムス)という名前は、多くの方が日本史の授業で教えてもらった記…

ハワイの波とともに生きた若きサーファーたちの物語「波乗りの島」 【キャビンの棚】

 常夏の楽園、ハワイを舞台に、波乗りたちの喜びや悲しみを描いた「波乗りの島」(1979)。青春小説「スローなブギにしてくれ」の著者として70~80年代に一世を風靡した片岡義男の、海洋ものの傑作です。  本作は片岡義男の「ハワイ四部作」の1作目で、ほかの3作品と同じく、主人公は、ハワイで働く日系二世の「僕」です。これは、米国の市民権をもつ日系二世だった片岡の父と重なっています。そこで、環境破壊を背景にしながら、「自然の波」を守ろうとする地元のサーファーの男女を、太平洋の雄大な