海を近くに感じることのできる音楽や書籍をご紹介。新しいものから古いものまで、いろいろと取りそろえてみます。
マリンウェアからマリンギア、ボートやヨットのパーツに至るまで、ほかでは読めないマリン用品を扱うマニアックなヤマハマン担当コラム。
海を感じる料理、ときどきドリンクにまつわるお話です。「大雑把」「手抜き」ご免のレシピ付き。
ヤマハ発動機が世界中の水辺で撮りためてきた写真でつくったオリジナル壁紙です。毎月、1枚ずつ更新していきます。
自然科学、人物、海の生き物、乗り物、文化と歴史、記録……。海にまつわるあらゆる事柄について取り上げるショートコラムです。
カリブ海の地図を見ていると、「ピーターパン」のフック船長が、海の荒くれを率いて活躍したシーンが思い浮かびます。ウォルト・ディズニーの描く絶海の孤島。あくまでも青い空と海、白い砂浜、緑したたる椰子の葉。巨万の財宝を積んで沈んだ帆船、埋められた財宝と骸骨。ファンタジーに登場する海賊は、少年少女にとってどきどきするような魅力あふれる脇役でした。 すれっからしの大人になってもその余韻は残っていて、「海賊」とタイトルにある本にはつい手がでてしまいます。ましてや「女海賊大全」ときて
ウインドラス(windlass)とは、船舶用語で揚錨機を指す言葉です、と一般的には説明されています。揚錨機とはまた、古風なイメージの機械名ですが、なんとなく重々しくて、大航海時代なんかを想像してしまいそうです。 つまりはアンカーウインチなのだけれど、ウインドラスとアンカーウインチは、筆者の中では厳然とした線引きがあります。根拠薄弱な線引きですが、ロープを巻き上げるのがウインチで、チェーンを巻き上げるのがウインドラス、と解釈しています。 ウインチというと、ワイヤーロープを
船の世界と酒は妙に馴染みます。飲酒操船はしてはいけません。でも、実はほんの少し前までは、日本でもこれを取り締まる法律はありませんでした。 大航海時代には傷みやすい水の代わりにビールやラム酒が積み込まれていたという背景があります。また、壊血病の予防だったという本当かどうかわからぬ説もあります。さらに英国海軍では200年以上にわたり公式に船員に対して毎日、1/2パイント(284ml)のラム酒を配給していた時期がありました。実際のところ船乗りにとって、酒は水代わりだったのです。
パラオの中心地・コロールです。朝の静かなハーバーから沖に浮かぶ島々を目指します。波ひとつ無い水面に映る雲の模様を壊したくなくて、ゆっくりと静かに走らせると、その時にできる曳き波が、ますます美しい表情を水面に作りだしてくれます。好きな時間、好きな天気、大好きな海です。 ダウンロードはこちらから。
ヴィクトル・ユーゴーといえばまず思い浮かぶのが、『レ・ミゼラブル』。ロマン派の作家で、フランス近代詩の基礎を築いた詩人でもあります。 『レ・ミゼラブル』に次いで、亡命先の島で書かれた『海に働く人々』は、若い漁師の恋物語で、島の生活や海との闘いなどの現実描写がいかにもユーゴーらしく、緻密で迫力があります。 ユーゴーは1802年、ナポレオン軍の将軍を父に、王党派の娘を母に生まれました。そして1820年頃から詩、戯曲、小説を多作するようになります。その作風は母親の影響で王
カキ(牡蛎)の季節真っ盛り。西洋では「月の名にRのつかない時期にはカキを食べるな」といわれるようです。一般的にその時期(5~8月)は産卵期にあたって味が落ちること、そして痛みやすいことも理由かもしれません。いまでは年中食べられますが、やはりカキは季節感のある冬の食材なのです。 北はノルウェーから南はニュージーランドに至るまで、世界各地で養殖されていることからも、カキは多くの人々に愛されている貝であることがわかります。日本では17世紀に小林五郎左衛門なる人物が広島で地蒔き
みなさんは出航前のボートの点検、きちんとできていますか。ボート免許教室(教習所)では、いったん海に出たら救援を呼ぶのも容易ではないから、船長自身がしっかりと最低限の点検をすることを求めています。 まず、外板などの点検です。デッキやハルに損傷はないかなど。次にエンジンや電気系統、燃料系統。そして、係船・消火設備や船検証など搭載品のチェックです。 これらは、①あなたの船は、沈まずに浮いていられるか ②ちゃんと走れるか ③トラブルや当局の臨検に遭遇しても安心か(笑)ーとと
2025年、最初に満月が夜空に浮かんだのは、1月14日のことです。といってもこの月は13日の午後に月の出、14日の朝に月の入りしました。拙子が海の向こうに姿を現す今年最初の満月を見ようとある場所に向かったのは14日の夜です。肉眼では見分けが付きませんが、正確には満月よりほんの少しだけ下弦気味だったということになるのでしょう。 月には上弦と下弦がありますが、それを見分けるのに、船乗りの先輩から教わった簡単な覚え方があります。アルファベットのCとDで覚えるのです。Cの形をし
日本に住む人々にとって、ノリ(海苔)は最も身近な海産物のひとつ。おにぎりや寿司はもちろん、煎餅や餅に巻いたり、佃煮にしたりと、使い方、食べ方は様々です。また、初春の季語としても用いられるなど、文化的にも密接に関わっています。 さてそのノリですが、養殖で採取されることがほとんど。江戸時代の初期に東京湾で養殖が始められてから、現在では太平洋側の多くのエリアで行われています。 そして生産量をみると、福岡、佐賀、熊本、長崎の4県に面した有明海の海苔が有名ですが、県別で見ると兵
昨年の暮れに最終回を迎えたあるテレビドラマのなかで、主人公が水辺の鳥を見て「カモメ」と言ったら、動物が大好きな自閉スペクトラム症を持つ弟が「違います。カモメ科のウミネコです」と言い直すシーンがありました。弟さんのこだわりです。その後でもっと台詞が続くのですが、カモメとウミネコの違いを知るだけで、海が楽しくなることを知っていたので、そのこだわりの大切さ、といったら大袈裟かもしれませんが、とにかくその台詞が印象的で、共感を覚えたのです。 さて、海には様々な鳥が飛んでいます
これは小さな子供でも知っていることだと思うのですが、イカというやつは外敵に襲われると目くらましに墨を吐きます。だから、明け方、漁港に帰ってくるイカ釣り漁船は、たいていはイカスミで真っ黒に汚れています。 このイカスミには旨味成分が含まれていて、イタリア料理では当たり前のように使われているようです。よくある言いぐさだけれども、この真っ黒な液体を初めて口にした人——イタリア人だか、スペイン人だかは知りませんが、ほんとうに「よくぞやってくれました!」と感謝したくなります。
チューブに空気を入れて使用するボートをインフレータブルボートといいますが、一般的にはゴムボートと呼ばれることが多いです。 ゴムだチューブだというと華奢なイメージですが、実物は何層にも化学繊維を貼り合わせてあって、かなり硬いのです。とはいえ、空気を抜けば折り畳むくらいはできます。 インフレータブルボートの長所としては、普段はコンパクトに収納できる事、水面へのエントリーが楽な事などが挙げられます。それらは手軽にボートを楽しむ場合にとても有効なのです。 インフレータブル
戦国時代に瀬戸内海の中心部・芸予諸島を拠点に力を振るった海賊・三島村上氏の最盛期といえば、やはり能島の村上武吉が総領となっていた時代といえるだろう。 その時代、能島の村上武吉のほかに、来島には村上通康が、因島には村上吉充がそれぞれ城を構え、船を有し、力を奮った。 今治市村上海賊ミュージアムの学芸員・松花菜摘さんによると「三家は互いに同族意識はありながらも、常に行動をともにしているわけではなく、敵対するところもあった」という。 来島は四国からわずか240mほどの近距
フレンチポリネシアのボラボラの海です。ここは、波静かな海にいつもセーリングクルーザーが停泊しているところがいいですね。世界中のブルーウォーターファンがこの島々に集まってくるのです。彼らにとって、まさに楽園なのでしょう。 新しい年を迎えました。さあ、海に出ましょう。楽園を目指して。 ダウンロードはこちらからどうぞ。
旧年中はご愛読、まことにありがとうございました。新しい年を迎え、皆様のますますの素敵な海での体験、美味しい海の幸、本や音楽との出会いなど、美しい「海の時間」との出合いをお祈りします。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
ずいぶんと前の話ですが『マグロは時速150キロで泳ぐ』という本が話題になったことがあります。この本のタイトルから想像できる通り、マグロは泳ぎが達者です。また、マグロに限らずほとんどの回遊魚はみんな速い。 マグロを例にすると、体系は紡錘形で断面はほとんど円状になっています。そして身体の最も太い部分が中心よりやや後方に位置しています。これは層流翼形といい、これにより泳ぐ際に起こる乱流を防ぎます。 また、身体の対面はぬるぬるとした粘液に覆われています。これは、水の抵抗をより